Bush: Saddam could inflict ‘horror’
President Bush warned on Saturday that Saddam Hussein could strike without notice and inflict “massive and sudden horror” on America, offering a new rationale for pre-emptive military action against Iraq.
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■チェック
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・inflict (苦痛・打撃・害などを)与える、加える
・without notice 予告なしに、前触れもなく
・rationale [rae`∫эnae’l] 理論的説明、理論的根拠、根本的理由
・pre-emptive military action 先制的な軍事行動
■対訳
「ブッシュ大統領:サダムは『恐怖』を与えうる」
ブッシュ大統領は、土曜日、サダムフセインが前触れもなく攻撃をしかけ、「大規模かつ突然の恐怖」を米国に与えうると警告し、イラクに対して先制的な軍事行動をとる新しい理論的な根拠を提示した。
■ひとこと
イラクをめぐる状況について少し整理しておきましょう。
少し長いですが、興味のある方はぜひ読んでみてください。
なぜブッシュ政権はフセインを叩き潰そうとしているのか?テロの恐怖を廃絶しよう、それは分かる。国民は痛いほどテロの恐怖を知っている。
ただそれ以外に理由はないのでしょうか?
石油価格の上昇と利権の取得です。
中東が不安定となり、石油価格が上昇して利益を受けるのは誰でしょうか?
油田を所有しているのはアラブの王様だ。
しかしそこで取れる値段を決めているのは、利権を抱えている会社とそのバックになっている国。
つまり、石油メジャーと巨大石油メジャーを抱える米国なんです。
米国は中東から石油を輸入しているが、それ以上に利権で儲けているのです。
(※石油メジャーとは、原油の採掘から精製、その後の石油製品の販売までを一貫して行っている石油会社のことです。)
イラクはサウジアラビアに次ぐ世界第2位の石油埋蔵量を持っています。
ここで利権を取ることができれば。
この利権をめぐって、米国はさらに影響力を強め、もっと大きな収益を得るたいのです。
そのためにはフセインを倒して、新米政権を打ち立てたい。
ドイツやロシアが米国が掲げる反フセインの旗に簡単には同調しないのは、このような米国の目的がはっきりと分かるからです。
またブッシュ政権は、エネルギー産業、軍事産業をバックにつけています。
これらの産業は、クリントン民主党政権下では重厚長大な産業、過去の遺物として軽視されてきました。
ITブーム、バイオベンチャーブームがこの流れを加速しました。
一方、石油メジャーの利権政権とも呼ばれているブッシュ政権には、エネルギー、軍事産業の再興、IT・バイオからエネルギー・軍事への経済政策転換の意思をはっきりと読み取ることができます。
あ、それともうひとつ大事なことを。
ブッシュ大統領は、テキサス大学卒業後、「アルプスト・エネルギー」という石油採掘会社をテキサスで興しました。また度々、対イラク政策で過激な発言をしているチェイニー副大統領は、石油掘削機販売会社「ハリーバートン」の会長だった。
2人とも、根っからのオイルマンなんです。
CO2規制のための京都議定書批准を拒否した理由もこのためだと言われています。
このように、中東をめぐる利権獲得の競争、ブッシュ政権と軍事産業、エネルギー産業との結びつきを考えて、改めて対イラク政策を考えると、テレビではなかなか見えてこない世界の様相が浮き彫りとなってきます。