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毎日1分!英字新聞 石田

製薬会社、買い物中毒治療の試み

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Drug Maker Looking to Treat Compulsive Shoppers

Can a pill be the answer for shoppers who go out to buy a battery and come home, quite inexplicably, with a plasma TV? Forest Laboratories Inc.
is sponsoring a trial at California’s Stanford University designed to show that its antidepressants Celexa and Lexapro can cut down on compulsive shopping.

◇◆◇◆◇◆

■チェック


・compulsive shopper 衝動買いをする人、買い物中毒の人
・inexplicably どういうわけか、不思議なことに
・trial 試験、試用
・antidepressant 抗うつ薬、抗うつ剤

■対訳

「製薬会社、買い物中毒治療の試み」

乾電池ひとつを買いに出て、どういうわけかプラズマテレビを手にして帰ってくるような人たちにとって、薬は解決策となりえるだろうか。
フォレスト・ラボトリー社は、カリフォルニア州スタンフォード大学で行われる、同社の抗うつ剤セレクサおよびレキサプロが衝動買いを減らす効果があることを示すための試験を後援している。

■訳出のポイント

タイトルの look to は様々な意味を持つ句動詞(動詞に前置詞を伴う表現)です。
「〜に目をやる、〜に目を配る」や「〜を当てにする、〜に頼る」の意味もありますが、ここでは「 〜を目指す、〜しようと試みる」の意です。
つまり「買い物中毒を(薬で)治療しようと試みる」という意味になります。

pill は「丸薬」「錠剤」「経口避妊薬」などの意味がありますが、記事のように「薬」一般を指すのにもよく使われます。

antidepressant の anti は名詞・形容詞の前について、「反対」「対敵」「対抗」「排斥」の意味を付加します。ここでは depressant 「抑制剤:筋肉・神経を静める薬剤」の「反対」で、「抗うつ剤」の意味になります。
antiwar protest 「反戦抗議」というように使います。

また、anti-American demonstration 「反米デモ」や anti-Bush slogan「反ブッシュ・スローガン」など固有名詞・固有形容詞の前にも使えますがこの場合は間にハイフンを入れます。
また一般名詞・形容詞の場合でも、母音で始まる場合はハイフンが入ることが多くなります。

■編集後記

衝動買いを抑制するために薬を飲んでから出かける(買い物にいく)というのは、考えると怖いですね。
薬ですからなんらかの副作用(side effect)も考えられます。
ただレベルの違いはあっても衝動買いは誰にでもあります。
また、お金だけ払って、商品を受け取らずに帰ろうとすることもよくあります(コンビニのお弁当など)。
これについては、商品を購入するという目的よりも、お金を払うという隠れた真の目的が達成されたことで満足するからと考える学者がいます。

お金の支払いとは、「払う」=祓う(よくないものを身体から祓って、身を清める)からきているという考え方があります。

よくストレス発散には買いものという人がいますが、これは買い物によるストレスの「お払い(お祓い)」に近いものがあります。

買い物をして代金を支払うという行為は、単に経済的な契約を完遂させるだけではなく、ストレスからの心理的な開放を果たします。
人間の本性や欲望に近い場所で機能しているとも言えます。

私たちが住んでいる資本主義(貨幣経済)という社会は、この仕組みをうまく利用して成り立っているということができます。何をするにもお金が必要ですね。
ゴッホの絵を買うにもお金、ティッシュペーパーを買うにもお金です。
お金を媒介にゴッホの絵とティッシュペーパーが交換可能というすさまじい世界なのです。
想像を絶したアクロバティックな離れ業をするのがお金です。

動物と異なり、人間は本能がイカレタ生き物だ、と言った経済人類学者がいます。
だからパンツをはいたのだと。
イカレタ本能を背負った人間は放っておけばどこへ向かって走りだすか分かりません。

そして、今この瞬間あらゆるところでお金がやりとりされています。
それは貨幣経済というシステムを円滑に回転させていると同時に、本来どこへ向かうか分からない人間の欲望を非常にスマートかつクールな形で回収、消化(昇華)させているわけです。

しかし言い換えれば、人の欲望、イカレタ本能を燃料としてどこまでも突っ走る車、それが私たちのいる資本主義経済という見方ができます。

このような見方をしていくと、資本主義という車がどんどんスピードアップして走るためには、より多くの燃料を必要としますから、さまざまな情報、映像を人々に与え、隠れた欲望、無秩序、無方向的な欲望を刺激します。
欲望が肥大し大きくなればなるほど、車はスピードを上げます。ほかの社会システムはついてこれません。
しかしその一方で、このような社会によって極度に肥大化された欲望を、経済力のない子供はうまく消化させることができ
ません。
つまり、イカレタ本能が、白昼、むき出しの姿をさらけだしてしまうのです。

最近の少年犯罪の増加を上記のように考察することも可能ではないでしょうか。

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