Sarin Gas May Have Caused Gulf War Troops Brain Damage
Scientists working with the Department of Defense have found evidence that a low-level exposure to sarin gas could cause lasting brain deficits. Over 100,000 American troops had been exposed to this kind of nerve gas in the first Gulf War of 1991.
■チェック
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・brain damage (deficit) 脳障害
・Department of Defense (米国)国防総省
・exposure 暴露
・lasting 永続的な
■対訳
「湾岸戦争の従軍兵士ら:サリン・ガスによる脳障害か?」
米国国防総省に協力している科学者らが、低レベルのサリン・ガスへの暴露が永続的な脳障害を引き起こす可能性がある、という根拠を発見した。
1991年の第一次湾岸戦争では、10万人以上の米軍兵士がその種の神経ガスに暴露していた。
■訳出のポイント
「脳障害」 という言い方は、brain damage あるいは brain disorder が一般的ですが、ここでは brain deficit という表現も使われています。
deficit はもともと 「欠けていること」 の意で、会計などで 「不足額」「赤字額」 の意味で使われる単語です。
ここから 「損失」 「欠損」 などの意味でも使われるようになりました。
そして、「脳の機能の欠損」 → 「脳障害」 という意味で brain deficit が用いられています。
expose はもともと 『ex(外へ)+ pose(置く)』 という成り立ちの単語で、「外に置く」 → 「風雨・日光・外気・危険・攻撃などにさらす」の意味です。
expose to 〜 で 「 〜 にさらす」 になり、通常は危険あるいは不快なものに 「さらす」 「触れさせる」 意味で使われます。
今日の場合は、受動態 ( be exposed to 〜) で 「〜にさらされる」という形になっています。
今日のサリン・ガスや放射能など危険な有害物質に 「さらされる」 場合に用いられることが多い表現で、日本語の 「 〜 に暴露する」 にあたります。
また、exposure はこの expose の名詞形で 「暴露」。
動詞同様 to をとって 「 〜 への暴露」 となることにも注意してください。
第一次湾岸戦争に従軍した米軍兵士が様々な身体的・精神的障害を呈するいわゆる Gulf War Syndrome 「湾岸戦争症候群」 については、これまで原因が特定されていませんでした。
今回の研究では、従軍兵士の間でサリン・ガスへの暴露程度に対応する脳の結合組織 connective tissue の変質が見られたということで、これを「低レベルのサリン・ガスへの暴露が永続的な脳障害を引き起こす可能性がある」 ことの根拠(=evidence)と呼んでいるわけです。
米政府はこれまで一貫して、兵士が浴びたサリンガスの量は微量で心身への影響はなかった、という立場を取ってきました。
■編集後記
ベトナム戦争で精神的に傷ついた元兵士というのは映画のテーマになってます。
マイケル・チミノのディアハンターは本当、好きな映画です。クリストファーウォーケンの猟奇的な表情が忘れられません。
湾岸戦争もいろいろな後遺症を引きずっています。
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