China Executes Japanese drug smuggler
China executed Mitsunobu Akano as a convicted drug smuggler on Tuesday, making him the first Japanese citizen to be put to death in the communist country since diplomatic relations between the two nations were re-established in 1972.
■チェック
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・execute ( = put to death ) 処刑する
・convicted 有罪判決を受けた
・drug smuggler 麻薬密輸人
・diplomatic relations 国交
・re-establish 回復する
■対訳
「中国、麻薬密輸日本人の死刑執行」
共産主義国の中国は火曜日、麻薬密輸で有罪判決を受けていた赤野光信死刑囚の処刑を執行した。
中国で日本国民が処刑されるのは、1972年の日中国交正常化以降はじめてのこと。
■訳出のポイント
smuggle は 「密輸する」 「こっそり持ちこむ(持ち去る)」 という動詞。
そこで drug smuggler は 「麻薬密輸人」 ということです。
convict は 「~に有罪判決を下す」 といつ動詞で、その過去分詞が形容詞化したconvicted は 「有罪判決を受けた」。
したがって、文の最初、 China executed Mitsunobu Akano as a convicted drug smuggler の部分は直訳すると、「中国は有罪判決を受けた麻薬密輸人として赤野光信(死刑囚)を処刑した」→「中国は麻薬密輸で有罪判決を受けていた赤野光信死刑囚の処刑を執行した」ということです。
動詞 put は誰でも知っている重要基本動詞で、実に様々な意味で使われますが、今日の場合は 「~をある状態に置く」 というものです。
ここから put 人 to death で 「人を死という状態に置く」 →「人を殺害する」 「人を処刑する」 という表現になります。
ここでは be put to death という受動態の形で 「処刑される」となっています。
diplomatic relations は 「外交関係」 「国交」。
diplomatic relations between Japan and China 「日中国交」という具合に使います。
ここでは、Japan and China のかわりに two nations 「2ヶ国」が使われていますが、意味としては 「日中国交」 となります。
establish は 「設立する」 「樹立する」 といった意味の動詞で、その前に 「再び~」 の意の接頭辞 re- がついた re-establish は「~を再建する」 「~を回復する」 となります。
判決によると、赤野死刑囚は2006年9月に大連の空港で、約2.5キロの覚せい剤を日本に密輸しようとして警察に拘束されたということです。
赤野死刑囚に加えて、さらに3人の日本人について同罪で死刑が確定しており、日本政府はいずれの刑執行にも「刑が重すぎる」 との懸念を表明してきましたが、中国政府は麻薬犯罪には厳罰で臨む姿勢をくずしていません。
■編集後記
かなり衝撃的な事件です。
報道によれば、中国では50g以上の密輸に対して、無期懲役あるいは死刑になる可能性があり、概ね1kg 以上で死刑が適用されているとのこと。
1840年に清(当時の中国)と英国の間でアヘン戦争がありました。
英国がその植民地インドで栽培したアヘンを中国に輸出し、清国内に急速にアヘンが広まり、風紀は退廃するどころか社会基盤を揺るがす事態に発展。
清はアヘンの輸入を禁止したがその後も密輸入が後を絶たなかった。その結果戦争へ発展。
結局、麻薬密輸に対する中国の強硬的ともいえる姿勢の背後にはこのときの記憶があるのかも知れません。
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雨フルか!