Zurich Rejects Ban on Assisted Suicide
Voters in Zurich, Switzerland on Sunday overwhelmingly rejected the banning of assisted suicide and so called “suicide tourism.”
■チェック
!
・reject 拒否する→否決する
・ban 禁止(令)
・assisted suicide 自殺ほう助
・voter 投票者、有権者
・overwhelmingly 圧倒的多数で
・so called “suicide tourism” いわゆる『自殺ツーリズム』
■対訳
「チューリヒ、自殺ほう助禁止を否決」
スイス・チューリヒ州の有権者は日曜日、自殺ほう助と、いわゆる『自殺ツーリズム』 の禁止を圧倒的多数で否決した。
■訳出のポイント
ban は、法による 「禁止」 「禁止令」 「禁制」 という名詞。
通常 ban on ~ あるいは ban against ~ という形で 「~に対する禁止」「~の禁止」 になります。
また、ban は動詞で 「~を(法的に)禁止する」 の意味にもなるので、あわせて確認しておきましょう。
suicide は 「自殺」 で、assisted suicide で 「援助された自殺」 →「自殺ほう助」 という言い方です。
したがって、タイトルの reject ban on assisted suicide は「自殺ほう助の禁止を否決する」 ということです。
「圧倒する」 「制圧する」 という動詞 overwhelm の現在分詞が形容詞化した overwhelming は 「圧倒的な」。
今日登場している overwhelmingly はその副詞形なので 「圧倒的に」「徹底的に」 の意になります。
とくに選挙など投票の結果を伝える文章では 「圧倒的に」 → 「圧倒的多数で」というニュアンスで使われる語です。
したがって、reject overwhelmingly で 「圧倒的多数で否決する」。
so called ~ は 「~といわれて」。
日本語の 「いわゆる」 にあたる表現です。
自殺ほう助とは文字通り自殺を手助けすること。
通常、末期がんなど「不治」かつ「末期」で「耐えがたい苦痛」を伴う疾患の患者の求めに応じ、医師などが積極的あるいは消極的手段で死に至る手助けをする 「安楽死」 euthanasia との関連で語られる言葉です。
スイスはこの自殺ほう助が合法とされる数少ない国(あるいは州)のひとつで、年間約200人がこの地で安楽死を選んでいます。
そして、その40%強が外国人・・・つまり多くの人が安楽死を求めてわざわざスイスへやってくるということです。
この現象を so called “suicide tourism” 「いわゆる『自殺ツーリズム』」というわけです。
ただし、ここ数年はスイスでも自殺ほう助を禁止あるいは制限する動きが見られます。
今回は・・・
1. ほう助を一切認めるべきではない
2. 海外からの希望者を受け入れるべきではない
というふたつの national initiative 「国民発議」についての投票がチューリヒ州で行われたというニュースです。
結果は、1については85%、2については78%というどちらも圧倒的多数の有権者が否決するというものでした。
スイスは個人の自由・権利を何よりも大切にするお国柄・・・それを如実に反映する投票結果といえるかもしれません。
■編集後記
日本の場合はどうかと思いwikipediaを調べましたが、日本は自殺を犯罪とは認めてないけれど、他人の自殺を援助すると自殺関与罪として罰せられます。
ただ、相手が自殺をしやすいように援助するのが自殺ほう助罪、他人に死ね、死んだほうが良いといい、自殺を決意させるのが自殺教唆(きょうさ)罪といい区別されているようです。
それにしても自殺ほう助が認められるチューリッヒというのは。。。。
(裏)今週は今日以外天気のよい日が続くようです。