Skin Cells Tuned into Neurons by US Researchers
Researchers at the Stanford University reported that they have managed to convert human skin cells directly into functional neurons.
■チェック
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・skin cell 皮膚細胞
・neuron ニューロン、 神経細胞
・convert A into B AをBに変える
・functional 機能的な→(健全に)機能する
■対訳
「人間の皮膚細胞から直接神経細胞: 米国研究者チーム」
スタンフォード大学の研究者チームが、人間の皮膚細胞を健全に機能する神経細胞へ直接変化させることに成功した、と発表した。
■訳出のポイント
cell の語源は 「小部屋」 「小屋」 を意味するラテン語 cella。
ここから 英語の cell も修道院などの 「独居房」、刑務所などの 「独房」という意味にも使われます。
一般的には、大きな組織の中の 「基本組織」 の意で、とくに生物学では(生体の基本組織である)「細胞」 の意味になります。
したがって skin cell で 「皮膚細胞」 です。
neuron は日本語では 「ニューロン」 「神経単位」 といわれ、厳密には神経細胞を含む神経系の構造・機能上の単位を指します。
ただし、一般的には 「神経細胞」 と同じ意味で用いられるため、今日の対訳でも 「神経細胞」 としています。
convert は 「変える」 「転換する」 という動詞。
通常 convert A into B という形で用いられ 「AをBに変える」「AをBに転換(変形・改造)する」 といった意味になります。
into の代わりに to を用いて convert A to B でも同じなので合わせて確認しておきましょう。
また、ここでは convert A directly into B と、「直接(に)」という副詞が加わった形で、「Aを直接Bに変える」 になっています。
さらに、convert はどちらかというとフォーマル(正式)な語で、日常的には turn A into B あるいは change A into B でも同じ意味になることも注意しておきましょう。
今日のタイトルでも、Skin cells (are) tuned into neurons でbe 動詞を補うと、turn A into B が受動態で登場していることがわかります。
つまり、「皮膚細胞が神経細胞に変えられる」 ということです。
さて、manage は 「管理する」 「経営する」 「監督する」 といった意味でよく知られる動詞ですが、ここでは 「なんとかやり遂げる」「かろうじて成功する」 という意味で登場しています。
つまり、意味的には succeed 「成功する」 「うまくいく」 に近いのですが、そこには “何とか” “かろうじて” というニュアンスが加味されているというわけです。
manage to V で 「かろうじて~することに成功する」「なんとか~する」 という言い方になります。
したがって、
have managed to convert human skin cells directly into functional neurons の部分は
「人間の皮膚細胞を健全に機能する神経細胞へ直接変化させることに成功した」 。
アルツハイマー病やパーキンソン病などの難病患者に対して、あらたに神経細胞を作ってやるという治療法が模索されています。
これまでは、皮膚細胞などをいったん万能細胞である「人工多能性幹細胞」 induced pluripotent stem cell(iPS細胞)に変えてから神経細胞に分化させる方法がとられてきましたが、
目的の細胞を直接つくる 「ダイレクト・リプログラミング」と呼ばれる技術がここにきて注目されています。
今回は、このダイレクト・リプログラミングによって初めて人間の神経細胞を作ることに成功したというニュースです。
この技術が確立されれば、よりスピーディで効率的な細胞作成が期待されるだけでなく、iPS細胞で懸念されるがん化の危険性を減らせる可能性もあり、再生医療や創薬への応用が期待されます。
■編集後記
娘が10歳になりました。
本当にあっという間です(息子は10月に13歳)。
そろそろ一緒にお風呂も入れなくなるのかなと思うと寂しいので、一緒に入れるうちにたくさん入っておこうと思います^^;
(裏)台風2号は低気圧に変わったそうですが、大雨に警戒。。