World’s First Synthetic Windpipe Transplant Carried out
An international team of surgeons in Sweden have successfully carried out the world’s first artificial windpipe transplant, which was created with plastic material and nanotechnology, then coated in stem cells from the patient.
■チェック
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・synthetic (artificial) windpipe 人工気管
・transplant 移植
・surgeon 外科医
・carry out 実施する
・coat in ~で覆う
・stem cell 幹細胞
■対訳
「世界初、人工気管移植」
スウェーデンで国際外科チームが、人工気管の移植に世界で初めて成功した。
この人工気管は、プラスチック材料とナノテクノロジーを用いて作られ、その後患者自身の幹細胞で覆ったもの。
■訳出のポイント
synthetic は 「合成の」 「人工の」 という形容詞。
windpipe は 「気管」 あるいは日本語の 「のど笛」 にあたる語です。
したがって、今日の記事の synthetic windpipe、 artificial windpipe は、ともに 「人工気管」 になります。
carry out は 「実施する」 「実行する」 という句動詞。
英字新聞でも頻出の重要表現なので、しっかり確認しておきましょう。
今日のタイトルでは、
World’s First Synthetic Windpipe Transplant (Is) Carried out
のように be 動詞が省かれています。
これも復習になりますが、英字新聞のヘッドラインでは、受動態の be 動詞は省略されるのが一般的。
したがって、直訳すると 「世界初の人工気管移植が実施される」 となります。
本文の方では、success 「成功」 の副詞形である successfully 「うまく」「首尾良く」 がともなって、successfully carried out という形なので、「うまく実施した」 → 「成功した」 ということです。
coat は日本語の 「コート」 の語源。
つまり、もともとはスーツなどの上から覆う 「上着」 「外套」 という意味の名詞ですが、ここから 「~の表面を覆う」 という動詞としても使われます。
通常は受動態の be coated in ~ あるいは be coated with ~「~に覆われる」 「~に包まれる」 という形で登場します。
今日の場合は、(was) coated in stem cells from the patient なので、「患者(から)の幹細胞で覆われた」 となります。
スウェーデンのカロリンスカ大学病院が、完全な人工気管移植術に世界で初めて成功したというニュースです。
患者は36歳の末期気管がんの男性。
プラスチック材料とナノテクノロジーを用いた人工骨格を患者自身の幹細胞から再生した組織で覆った人工気管を移植する手術は先月行われ、すでに患者はほぼ完全に回復しているといいます。
患者自身の幹細胞から再生した組織を用いているので、移植に対する拒否反応もなく、免疫抑制薬の使用も必要ないとのこと。
このような再生医療措置が確立されれば、今後は患者に適合するドナー臓器を待つ必要がなくなり、気管移植手術の革命となる、と期待されます。
■編集後記
臓器移植は拒絶反応があるため、手術をしても失敗するケースが多数あったが、患者自身の幹細胞を利用することで拒絶反応が起きない、という。
3月には英国で10歳の少年が気管狭窄(きょうさく)の手術をし、その際、ドナーから提供された気管の細胞に少年の幹細胞を注入、少年の体内に移植し、成功している。再生医療にいま、革命が起きています。
(裏)石川初日+4かー。
2日目なんとか縮めて予選突破してほしい!