Suicide Man’s Unsent Text Message Accepted as Will in Australia
An Australian court has accepted an unsent mobile text message, found in the drafts folder on a man’s phone after he took his own life last year, as a valid will.
■チェック
・suicide 自殺
・unsent (mobile) text message 未送信の携帯メール
・accept (A) as B A を B として認める
・(valid) will 法的効力のある遺言
・drafts folder 下書きフォルダー
・take one’s own life 自殺する
■対訳
「豪州:自殺男性の未送信メールを遺言と認める」
オーストラリアの裁判所が、昨年自殺した男性の携帯電話の下書きフォルダーに残されていた未送信メールを、法的効力のある遺言と認めた。
■訳出のポイント
「送る」 の意味でおなじみの基本動詞 send の過去分詞に否定の接頭辞 un- がついた unsent は
「送付(送信)されていない」 「未送信の」
という形容詞。
text message は mobile text message の意で、
日本語の 「携帯(電話)メール」 を指します。
したがって、
unsent (mobile) text message で
「未送信の携帯メール」
の意味になっています。
will は未来や意志を表す助動詞としてよく知られていますが、
「意志」 「願望」 「決意」
という名詞でもあります。
そして、
法律用語の 「遺言」 「遺書」
を意味する単語でもあるので、注意しましょう。
accept ~ as will で
「~を遺言として認める」
ということです。
draft は 「原稿」 「草案」 「下書き」。
drafts folder で 「下書きフォルダー」 の意味になります。
カンマではさまれた
found in the drafts folder on a man’s phone after he took his own life last year
の部分は、直前の
an unsent mobile text message
「未送信の携帯メール」
を説明する文節ですね。
つまり、
「ある男性が去年自殺した後に、彼の携帯電話の下書きファイルの中で見つかった(未送信の携帯メール)」
→
「昨年自殺した男性の携帯電話の下書きフォルダーに残されていた(未送信メール)」
というわけです。
valid は 「妥当な」 「正当な」 という形容詞。
法律的に 「有効な」 「合法的な」 「効力がある」
の意でもよく使われる語です。
例えば、
valid driver’s license といえば
期限が切れていない 「有効な運転免許」
の意味になります。
ここでは、 valid will で
「法的効力のある遺言」
ということです。
遺産を自身の妻と息子ではなく、兄弟と甥に渡す、と書かれた未送信メールを巡り、豪州東部ブリスベンの裁判所が、法的効力を持つ遺書だと認めた、というニュース。
昨年10月に自殺した男性の携帯電話の下書きフォルダーに残されていた兄弟宛のメールには、妻が浮気をしていることなどがつづられ、
「私の家と年金全てを君と甥が相続し、遺灰は裏庭に埋めてほしい」
という希望とともに、銀行口座の詳細が書かれていたそうです。
また、文末には
my will 「私の遺言」
という言葉とともに笑顔を絵文字が添えられていたといいます。
ちなみに、「絵文字」 は英語でも emoji。
もともと日本独自のものだった 「絵文字」 が、スマホの登場で世界中に普及したことから、ローマ字にした emoji がそのまま使われるようになった次第です。
■編集後記
パソコンや携帯に残されたメールやラインなどのメッセージが、犯罪などの証拠となるのは当たり前になっていますが、未送信メールが法的効力を持つ遺言として認められるとは・・・
そんな時代に突入しているんだなあと思ってしまいました。
(裏)週末は雨。でも関東北部は土曜は曇りのようです・・