Saddam Captured Hiding in Hole Near Tikrit
U.S. troops captured Saddam Hussein hiding in a hole near his home town of Tikrit in a major coup for Washington’s beleaguered occupation force in Iraq.
■チェック
!
・capture 捕獲、逮捕
・coup 大当たり、大成功
・beleaguered 窮地に立つ
・occupation force 占領軍、駐留軍
■対訳
「ティクリート近郊の穴に潜伏するサダムを拘束」
米国軍が、故郷のリクリート近郊の穴に潜伏するサダム・フセインを拘束し、苦境に立たされていたイラク駐留米軍にとって、大金星となった。
■訳出のポイント
coup はフランス語から来ている単語のため、語尾の p は発音されず[ku’:]
(クー)という発音になることに注意しましょう。
もともとの意味は、「不意の一撃」あるいは「政変」「クーデター」です。
ここから、「大当たり」「大成功」という意味にも使われるようになりました。
ここでは、a major coup で「大当たり」あるいは「大成功」がさらに major
「すばらしい」「重要な」で強調してあるため、「大金星」と訳しました。
beleaguered は、動詞 beleaguer「包囲する」「悩ませる」という動詞の過去分詞が形容詞になったもので、「包囲された」→「追い詰められた」→「苦境に立つ」などの訳が当てられます。
以前にも触れましたが、 Washington = Washington D.C. は米国の首都であり、「米国」あるいは「米国政府」を象徴する形で使われます。
日本政府が時折、Tokyo として表されるのと同じです。
これらから後半の、
in a major coup for Washington’s beleaguered occupation force in Iraq を直訳すると、
「苦境に断たされていたイラク駐留米軍にとってすばらしい大成功の中で」なので、そのまま全体を訳すと、
「苦境に断たされていたイラク駐留米軍にとってすばらしい大成功の中で、米国軍が故郷のリクリート近郊の穴に潜伏するサダム・フセインを拘束した。」
となります。
しかし、これでは不自然なので、後半は前半を受ける独立した文として訳すと、対訳ができあがります。
■編集後記
米国各誌のヘッドラインタイトルをみてみましょう!
Saddam loyalist provides crucial tip (USA TODAY)
サダムの腹心が米国に密告
U.S. Forces Uncover Ex-Iraqi Leader(ワシントンポスト)
米軍部隊、元イラク指導者を発見
SADDAM CAUGHT (ニューヨークポスト)
サダム、拘束
‘WE GOT HIM’: Hussein captured (シカゴトリビューン)
「奴を捕まえた」フセインを拘束
短いタイトルは記事の全てを凝縮して表現しています。
crucial tip なんて覚えておきたい言葉ですね。「重要な教え」というのが意味です。
tipsはゴルフでもチップスといってワンポイントの指導です。
私の翻訳会社の英文校正には、全てこのTIPS(ネイティブによるワンポイント)がついています。
ワシントンポストのUncover というのも穴の中から引っ張り出した、という意味で的を得た使い方です。
WE GOT HIM、これは占領当局の中では最高の権力を持つブレマー米文民行政官の最初の発言!ウィガーリィ!としか聞こえないところがアメリカなまりですね。