Ulcer-Causing Helicobacter Pylori Linked to Parkinson’s
Helicobacter pylori, a bacterium responsible for stomach ulcers, may play a role in developing Parkinson’s disease, U.S. researchers reported.
■チェック
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・ulcer-causing 潰瘍を誘発する
・Helicobacter pylori ヘリコバクター・ピロリ、ピロリ菌
・bacterium バクテリア、細菌
・Parkinson’s (disease) パーキンソン病
・responsible for ~の原因である
■対訳
「潰瘍を誘発するピロリ菌、パーキンソン病に関与」
胃潰瘍の原因となる細菌のヘリコバクター・ピロリ菌が、パーキンソン病の発症に関与している可能性がある。
米国の研究者らが報告した。
■訳出のポイント
ヘリコバクター・ピロリはヒトなどの胃に生息するらせん型の細菌。
通常 「ピロリ」 菌と呼ばれています。
慢性胃炎や胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因になるとしてよく知られている細菌です。
また、胃癌の発生にもつながることが確認されており、細菌の中でヒトの悪性腫瘍の原因となりうることが明らかになっている唯一の病原体でもあります。
そして今回は、米国の研究により、このピロリ菌がパーキンソン病の発病にも関与している可能性が示唆されたというニュースです。
日本語でも 「細菌」 は 「バクテリア」 ともいいますが、bacteria は実は複数形。
単数は bacterium なので注意しましょう。
responsible は 「責任がある」 「責任を負うべき」 という形容詞。
名詞形の responsibility 「責任」 とともに確認しておきたい単語です。
ここでは (be) responsible for ~ で 「~に対して責任がある」 →「~の原因である」 という表現になっています。
play a role は直訳すると 「役割を演じる」 → 「役割を果たす」という言い方。
play a role in ~ で 「~の中で役割を果たす」 → 「~に関与する」「~に貢献する」 というニュアンスで使われます。
動詞 develop は 「開発する」 「発達する」 「発展する」 などの意でよく知られる基本動詞です。
ただし、今日の場合は、病気を 「発病する」 「発症する」 「患う」という意味で登場しています。
したがって、play a role in developing Parkinson’s disease で「パーキンソン病の発症に関与する」 となっています。
■編集後記
wikipediaのピロリ菌のページをみて驚きました。
この病原菌が発見されたのは19世紀ですが、当時の医学研究者らがこの菌を自飲実験して急性胃炎を自ら発病させた、一人は自然治癒したが一人は慢性胃炎に発展、というくだりがあります。
現在ほど医療技術が発達してなかった頃、研究者らは自らの身体を実験台にして様々な菌の解明にあたっていたことがうかがえます。
現在の医療というのはそういう過去の研究者たちの身体をはった積み重ねの上に出来上がっているのかと変に感動しました。
(裏)末は天気がぐずつく感じです。
土曜日は晴れて欲しい!長男の運動会。