Russia Used Zircon Hypersonic Missile for the First Time, Ukraine Claims
Russia used a Zircon hypersonic cruise missile in a recent strike, for the first time in almost two years since its invasion against Ukraine, according to the Kyiv Scientific Research Institute Forensic Expertise.
■チェック
・Zircon 【露】ツィルコン
・hypersonic (cruise) missile 極超音速(巡航)ミサイル
・claim (~だと)主張する
・recent strike 最近の攻撃
・invasion against ~に対する侵攻
・Kyiv Scientific Research Institute of
Forensic Expertise キーウ犯罪科学研究所
■対訳
「ロシアが極超音速ミサイル・ツィルコンを初めて使用、ウクライナが主張 」
キーウ犯罪科学研究所によると、ロシアが最近の攻撃で、ウクライナ侵攻から約2年で初めて、極超音速巡航ミサイルのツィルコンを使用したという。
■訳出のポイント
zircon はもともと
鉱物の「ジルコン」。
今日の場合は、
ロシア軍が開発し、2023年1月に実戦配備した
hypersonic cruise missile 「極超音速巡航ミサイル」の
3M22 Zircon
のことを指しています。
日本語訳では、ロシア語の発音に近い
「ツィルコン」
とするのが一般的となっています。
名詞 strike は
「打つこと」「打撃」「殴打」→
「攻撃」の意。
特に、
(air) strike 「空爆」
の意味でしばしば用いられます。
そこで、
in a recent strike は
「最近の攻撃において」「最近の空爆で」
ということですね。
[,] にはさまれた
for the first time in almost two years
since its invasion against Ukraine
の部分は
「ウクライナに対するその(=ロシアの)侵攻以来のほぼ2年間で初めて」→
「(ロシアの)ウクライナ侵攻から約2年で初めて」
というわけです。
forensic は
「犯罪学の」「犯罪の」
という形容詞で、
expertise は
「高度な専門知識」「専門的見解」「鑑定」
を意味する名詞。
そこで、
Kyiv Scientific Research Institute
of Forensic Expertise
は、
「キーウ犯罪(専門)科学研究所」
ということですね。
ウクライナ司法省傘下のキーウ犯罪科学研究所は12日、2月7日のキーウへの空爆の後回収された部品や破片から、ロシア軍が極超音速巡航ミサイル「ツィルコン」を使ったことが示唆されると発表。
この日のキーウ空爆では4人が死亡、38人が負傷しましたが、「ツィルコン」とみられるミサイルによる直接の犠牲者はなかったということです。
専門家によると、「ツィルコン」はマッハ8(音速の8倍)=時速にして約99000キロで飛行し、欧米最高水準の防衛システムである地対空ミサイル「パトリオット」でも迎撃はほぼ不可能。
飛行中の「ツィルコン」は、気体が電離した「プラズマ」に完全に覆われ電波を吸収するため、レーダーで検知ができないそうです。
ただし、非常に高価な技術でもあり、現時点で大規模な生産・配備は難しいとみられています。
■編集後記
久しぶりにウクライナ・ロシア戦争関連記事を取り上げました。ロシアの侵攻から2年も経ってしまうと、どうしても遠い国の傍観者的な感覚が強くなってしまいますね。このまま最新兵器の投入を続けていたら、行き着く先は核しかありません。今回の「ツィルコン」も当然ながら核弾頭の搭載可能ですし。。。人間という種は大きな崖っぷちに自らを追い込んでいる、その一面が今回の記事から伺われます。
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(裏)zirconとは鉱物の一種、最古のパワーストーンで平和とか親睦といった意味があるといいます・・