Japan Finds Rare Earth Deposits in Pacific Seabed
Japanese researchers have discovered vast deposits of rare earth minerals, which are used in many hi-tech products, on the deep seabed of the Pacific Ocean.
■チェック
!
・rare earth (minerals) deposits レアアース(希土類)鉱床
・Pacific (Ocean) 太平洋
・(deep) seabed 深海底
・hi-tech products ハイテク製品
■対訳
「日本、太平洋海底でレアアース鉱床を発見」
日本の研究者らが、多くのハイテク製品に使われるレアアースの大鉱床を、太平洋の深海底に発見した。
■訳出のポイント
deposit には色々な意味がありますが、地質・化学用語として泥などが「積もる」 「堆積する」 「沈殿する」 という意味になります。
ここから、「堆積物」 「沈殿物」 さらに、鉱物・石油などの 「埋蔵物(量)」や 「鉱床」 という名詞としても使われます。
そこで rare earth (minerals) deposit で 「レアアースの鉱床」ということです。
vast は 「広大な」 「巨大な」 あるいは 「膨大な」 という形容詞。
したがって vast deposits of rare earth minerals で「レアアースの大鉱床」 となります。
すっかり日本語になっている 「ハイテク」 hi-tech は high technology の略。
high-tech と記す場合もあるので、注意しましょう。
bed は 「ベッド」 「寝台」 という名詞としておなじみですが、地学では bottom 「底」 の意味で広く用いられます。
つまり、「川底」 「湖底」 「海底」 の意味です。
ここでは seabed で 「海底」、 deep seabed で 「深海底」 ということです。
レアアースとは、ネオジムやジスプロシウムなどランタノイド系列(希土類)の15元素にスカンジウム、イットリウムを加えた17の 「化学元素」 chemical element の総称。
ハイテク素材に少量添加すると性能が飛躍的に向上するため、”産業のビタミン” とも呼ばれているそうです。
レアアースの代表格は永久磁石として最強の 「ネオジム磁石」。
電気自動車のモーターやコンピュータのハードディスク生産には不可欠ですし、燃料電池や超電導素材、原子炉の制御棒にも使われています。
このように、ハイテク産業に必須のレアアースは今後の日本の経済成長の鍵を握るといっても過言ではないでしょう。
しかし、世界産出量をみると中国が97%を独占し、日本は輸入量の90%を中国に依存する形になっています。
昨年9月に発生した尖閣諸島沖の中国漁船衝突事故後に、中国が日本向け輸出を一時停止したことは、まだ記憶に新しいかと思います。
今回発見された大鉱床は、採掘が困難でコストも高い深海底にあり、即座に採掘を開始できるわけではありませんが、将来的に中国の市場独占を打破する可能性を秘めており、日本にとっては大きな朗報といえます。
■編集後記
見つかったレアアース鉱床は世界最大とのこと。。
日本の研究者は偉いです。
しかしこれを原料として実際に使うのはいつの話になるのか?とても想像できません。
山崎豊子の小説、「不毛地帯」に出ていたような商社による利権獲得争いが生じるのか。。
(裏)今日も暑い!
このまま夏の猛暑に突入しそうな勢い。。