French President Macron and Wife Sue US Influencer for Defamation
French President Emmanuel Macron and his wife, Brigitte, on Wednesday filed a defamation suit in the United States against a right-wing influencer who claims the first lady was born a man.
■チェック
・sue ~ for defamation
(= file a defamation suit against ~) ~を名誉毀損で告訴する
・influencerインフルエンサー
・right-wing 右翼の
・claim (~を)主張する
・first lady 大統領夫人
・be born a man 男性として生まれる
■対訳
「マクロン仏大統領夫妻、米インフルエンサーを名誉毀損で提訴」
フランスのエマニュエル・マクロン大統領と妻のブリジット夫人は水曜日、大統領夫人が男性として生まれたと主張する右翼系インフルエンサーを相手取って米国で名誉毀損訴訟を起こした。
■訳出のポイント
influencer は
社会に対して「大きな影響を与える人」「影響力を持つ人」。
昨今では
「(ネットなどでの)情報発信者」「インフルエンサー」
という意味合いでよく使われる語となっていますね。
「名誉を毀損する」「誹謗中傷する」
という動詞
defame
から派生した名詞
defamation は
「名誉毀損」「誹謗中傷」。
sue ~ for defamation で
「~を名誉毀損で訴える」
という言い方になっています。
同様に、
file a defamation suit against ~ は
「~を相手取って名誉毀損訴訟を起こす」の意で、
基本的に同じ意味ですね。
right-wing は
「右派の」「右翼の」。
ここでは
right-wing influencer で
「右翼系のインフルエンサー」
となっています。
claim は
日本語の「クレーム」=「苦情」
の語源だと思われますが、
実際には
英語の claim と
日本語の「クレーム」は
意味がずれているので注意しましょう。
claim の基本の意味は
「~と主張する」「~を要求する」「(権利があると)主張する」。
「苦情をいう」「クレームを入れる」
といった意味はありません。
そこで、本文末尾
a right-wing influencer who claims the first lady was born a man
の部分は
「その大統領夫人(=ブリジット夫人)は男性として生まれたと主張する右翼系インフルエンサー」
ということですね。
was born a man は
「男性として生まれた」→「出生児の性別が男性だった」
という意味合いで、
文脈によっては
性別移行(トランスジェンダー)を示唆する、センシティブな内容を含む言い方になります。
今回のニュースでは、
ブリジット夫人について
“実は男性として生まれた”
という虚偽の噂に基づく名誉毀損が話題になっているわけです。
右翼系の米インフルエンサーとして数百万人のフォロワーを持つ
Candace Owens「キャンディス・オーウェンズ」さんは、
YouTube や Instagram を通じて
「ブリジット夫人は男性として生まれた」
「マクロン大統領と夫人は実は血縁関係にある」
などの虚偽主張を展開。
さらに、マクロン大統領が米中央情報局(CIA)の人体実験や政府主導の精神操作プログラムの産物であるという陰謀論まで提起しているそうです。
大統領夫妻は、これまで弁護士を通じて訂正要求を繰り返したにもかかわらず、オーウェンズさんが嘘の主張を続けたため、今回の訴訟に踏み切ったということです。
■編集後記
ブリジット夫人はマクロン大統領はより24歳年上で、高校時代の恩師であり友人の母だったという経緯から、どうしても “好奇の目” を向けられがちですね。いわゆる “インフルエンサー” というのも曲者で、SNS などのプラットフォームは、誰にでも発信する場が与えられる・・・そして一般人が突然大きな ”影響力” を持ってしまうことがある。 そういった意味でも、 今日の記事は ”今らしい” ニュースでした。
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(裏)それにしても夏本番だけど、水不足の心配が・・野菜も高騰するんだろうなー