BBC Chief Resigns over Trump Documentary Edit
BBC director general Tim Davie resigned Sunday following criticism over the U.K. public broadcaster’s “misleading” editing of a speech by U.S. President Donald Trump in its flagship documentary program.
■チェック
・chief (組織の)長 → 会長
・resign 辞任する
・documentary (program) ドキュメンタリー(番組)
・edit (editing) 編集
・director general 会長
・following ~を受けて
・criticism over ~についての批判
・public broadcaster 公共放送局
・misleading 誤解を招くような
・speech 演説
・flagship program 看板番組
■対訳
「英BBC会長が辞任、トランプ氏ドキュメンタリー編集で」
英国の公共放送局BBCのティム・デイビー会長が日曜日に辞任した。同局の看板ドキュメンタリー番組で、ドナルド・トランプ米大統領の演説を “誤解を招く形で”編集したとして批判を受けていた。
■訳出のポイント
chief は
組織、集団の「トップ」「責任者」
を意味する名詞。
軍、警察、企業、部族など、あらゆる組織に使います。
police chief 「警察署長」
executive chief 「最高責任者」
という具合ですね。
今日のタイトルでは
BBC chief で
「BBCのトップ」→「BBC会長」
というわけです。
ちなみに、
BBC は
British Broadcasting Corporation
「英国放送協会」。
イギリスの公共放送かつ世界最大の放送会社ですね。
following は、
「~の後に」「~を受けて」
という前置詞(=after) として
英字新聞でも頻出。
following criticism over ~ で
「~に対する批判の後に」→
「~をめぐる批判を受けて」
ということですね。
over は【理由】を表す前置詞で、
for も同様に使えますが、
報道文では over の方が一般的です。
mislead は
「~を誤った方向に導く」
という動詞。
誤った情報などを与えて「判断を誤らせる」「あざむく」
という意味合いでもよく使われます。
misleading は
この mislead の現在進行形から派生した形容詞で、
「人を惑わす」「判断を誤らせる」「誤解を与える(ような)」。
そこで、
“misleading” editing of a speech by U.S. President Donald Trump
の部分は
「ドナルド・トランプ米大統領による演説の”誤解を与えるような” 編集」→
「ドナルド・トランプ米大統領の演説の”誤解を招く形での” 編集」
となっています。
flagship はもともと
海軍の「旗艦」。
ここから、
旗艦に相当するような「最重要な」→
「主要な」「主力の」「1番目の」→
「代表的な」「看板の」
といった意味の形容詞にもなっています。
flagship program で
報道・放送業界の定番表現、
「看板番組」
の意味になります。
今回、
“誤解を招く形で” 編集がされた、
との批判を受けていたのは、
BBC の
flagship documentary program
「看板ドキュメンタリー番組」
である
Panorama 「パノラマ」。
2021年1月に起きた、米連邦議会議事堂襲撃事件。
トランプ氏はその直前に演説を行いましたが、BBCは昨年10月放送分の中で、演説中のトランプ氏の別々の発言をつなぎ合わせる形で、
「議事堂まで歩こう。私もあなたたちとそこにいる。そして戦う。死に物狂いで戦う」
と、暴動を直接的に指示したように受け取られる編集をしたとされます。
国内外で批判が高まっていました。
■編集後記
意図的に相手を陥れるような、”恣意(しい)的な編集” というのは、程度の違いはあれど、おそらくどの放送局でもかなり日常的に行われているのではと思います(残念なことではありますが)。ただ、誠実かつ秀逸なドキュメンタリーで高い評価を得ている英公共放送 BBC が、その看板番組でこれほど明らかに misleading な編集をしていたとは・・・トップの会長および報道局最高経営責任者の辞任は当然ですね。
(裏)今日からまたしばらく母の介護で長岡へー。。最低気温が5度くらいの日があり寒そう。。