ヒト皮膚から万能細胞

Human Skin Transformed into Pluripotent Cells

Ordinary human skin cells have been transformed into pluripotent cells to mimic embryonic stem cells with the potential to become any of 220 types of cell in the human body, U.S. and Japanese
research teams reported on Tuesday.

■チェック!

・pluripotent cell  万能細胞
・mimic  [動詞] 〜 によく似る
・potential  可能性
・embryonic stem cell  胚性幹細胞

■対訳

「ヒト皮膚から万能細胞」

通常のヒト皮膚細胞から、人間の身体における220種類の細胞のいずれにも成長する可能性を持つ胚性幹細胞によく似た万能細胞が作り出された、と日米2つの研究チームが報告した。

■訳出のポイント

transform は物(時には人)を 「 〜 に変形・変質させる」 という意味の動詞です。

生物学遺伝学の分野では (細胞に) 「遺伝子変化を起させる」「形質転換する」 という意味で使われます。

今日の場合は、通常のヒトの皮膚細胞から、ヒトES(胚性幹)細胞と見かけも機能もよく似た細胞が作り出されたことを transform という動詞で伝えています。

mimic  は何となくコミカルな響きのある単語だと思いませんか?

「道化芝居役者」 「物まね師」 を意味するギリシア語の mimikos が語源で、 「 〜 をまねる」 という意味の動詞です。

ここから、物や人が 「 〜 によく似る」 という文脈でも使われます。

今回ヒト皮膚細胞から出現した細胞は、見かけも、神経細胞や心筋細胞など様々な細胞に変化できる 「万能性」 を備えているという性質も、ヒトES細胞に “よく似ている” ということです。

最後の部分、U.S. and Japanese research teams は teams と複数形であることに注意してください。

ここから、報告をした研究チームがひとつではなく複数であることがわかります。

つまり、米国の研究チームと日本の研究地チームということです。

ちなみに、もし U.S. and Japanese research team とteam が単数ならば、研究チームはひとつなので、そのチームが米国と日本の共同チームという意味になります。

今回ヒト皮膚細胞から万能細胞を作り出すのに成功したのは京都大学の山中伸弥教授らの研究チームと米ウィスコンシン大学のグループ。

それぞれ、米国科学誌 Cell と Science の電子版で研究が発表されました。

次世代の再生医療の鍵として注目されている胚性幹細胞ですが、受精卵や卵子を材料に用いることから、倫理的にも議論を呼んでいます。

皮膚から作製される万能細胞ではこういった問題がないこと、また拒絶反応のない細胞移植治療などに応用できるということで、世界中のメディアが今回の研究成果を scientific breakthrough「科学的大躍進」と取り上げています。

■編集後記

幹細胞の研究は、米国民主党のクリントン政権下では大きく前進しましたが、保守層 conservatives をベースとする共和党政権(ブッシュ)になるや倫理上の問題がクローズアップされ研究の障壁となっていました。
毎日1分!英字新聞では過去に何度か幹細胞に関する記事をとりあげています。古くは
#301 2001/11/26 ヒトクローン胚の作製に成功
#657 2002/12/12 スタンフォード大学で賛否両論の幹細胞の研究

などです。その後、何度かこの幹細胞の研究をとりあげています。
うーん、このメルマガ、現代史の証人みたいです。

(裏)昨夜は渋谷、熱かった!

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