Nippon Steel Finalizes Takeover of US Steel
Nippon Steel announced on Wednesday that it has completed its long-sought takeover of U.S. Steel, after sealing a national security agreement with the U.S. government.
■チェック
・finalize ~を完了する、終了する
・(long-sought) takeover (念願の)買収
・seal (an agreement)(協定を)締結する
・national security agreement 国家安全保障協定
・government 政府
■対訳
「日本製鉄、米USスチールの買収を完了」
日本製鉄は水曜日、米国政府との間に国家安全保障協定を締結した上で、念願だったUSスチールの買収を完了したと発表した。
■訳出のポイント
finalize は
「最終決定する」「確定させる」→「完了する」
という動詞。
ビジネスや交渉などの文脈でよく使われる単語です。
“公的あるいは公式に手続きが完了する”
という意味合いが含まれていることに注意しましょう。
今日の記事では、
finalize takeover で
「買収(の手続き)を(公式に)完了する」
ということですね。
本文では、
「長い間追い求めてきた」「長期間にわたって待ち望んでいた」→
「念願の」
という形容詞
long-sought
も加えられて、
finalized its long-sought takeover U.S. Steel
「念願だったUSスチールの買収を完了した」
となっています。
national security は
「国家安全保障」。
英字新聞でも頻出の表現ですね。
ここでは
national security agreement で
「国家安全保障(に関する)協定」
となっています。
seal はもともと
「封印」「印章」
を意味する名詞。
古くは文書に蝋(ろう)を垂らして印を押すことで、
「開封されていない」=「正当である」
ことを保証する手段とされていました。
その「封印」「印章」が
seal
というわけです。
ここから、
「封をする」→「動かせないようにする」→「確定させる」
といった意味の動詞、
あるいは
文書・契約などに正式な印をつけて「同意する」「締結する」
という動詞という動詞としても、よく使われます。
本文末尾、
after sealing a national security agreement with the U.S. government
の部分は
「米国政府と国家安全保障協定を締結した後で」→
「米国政府との間に国家安全保障協定を締結した上で」
ということですね。
日本製鉄がおよそ2兆円を投じてUSスチールを完全子会社化し、買収を完了した、というニュース。
これに先立って、日鉄と米政府は6月14日に国家安全保障協定を結びました。
また、日鉄は米政府に対し USスチールの
golden share
「黄金株」を発行。
これらによって、日鉄はアメリカ政府の同社経営に関する一定の関与を認めることになったわけですね。
6月18日には買収金額の払込や手続きが完了し、今後USスチールは、日鉄傘下で経営再建を目指すことに。
19日に開かれた会見で、買収について日鉄の橋本会長は
「採算性については確保されており、両社にとって十分満足ができる内容だと認識している」
と述べています。
2023年12月に日鉄が141億ドルでUSスチール買収計画を発表してから、実に1年半後の買収実現となりました。
■編集後記
1年半もの歳月をかけて、日本製鉄は最後までよく粘りました。ただし、米政府との国家安全保障協定および”黄金株”。。。USスチールの経営に米政府がどのくらい実際に影響力を発揮するのかは未知ですね。日本製鉄は、本質的な経営の自由度を確保していけるのか、また、巨額の投資に見合う収益をきっちり生み出していけるか。。。
毎日1分!英字新聞の一部音声はアプリでスマホで聞くことができます!
↑ページ後半の「スマートフォンで音声を聴く場合」のところです!
(裏)明日は年に1度の人間ドック・・