“Manners Police” Arrive in Japan’s Subway System
Japan’s first “manners enforcers” will be asking passengers to give up their seats for pregnant women and elderly or disadvantaged people throughout a new line of the Yokohama City Subway.
■チェック
!
・manner マナー
・enforcer 執行人
・pregnant woman 妊婦
・disadvantaged (people) 体の不自由な人
■対訳
「日本の地下鉄で 『マナー・ポリス』 が登場」
横浜市営地下鉄の新線では、日本初の 『マナー向上員』 が乗客に対して妊婦やお年寄り、体の不自由な人に席を譲るよう呼びかけることになる。
■訳出のポイント
mannerは日本語でも使われる 「マナー」 の語源になった言葉で、「行儀」「礼儀作法」 あるいは 「風習」 「習慣」 という意味です。
He has good manners. 「彼はマナーがよい」 のように通常 manners と複数形で使われるので注意しておきましょう。
police はご存知のように 「警察」 「警官」ですが、口語では 「監視する人」「取り締まる人」 のようなニュアンスで使われることもあります。
そこで、タイトル中の manners police は 「マナーを監視する人」「マナーについて取り締まる人」 という意味になるわけです。
これは、本文の enforcer も同様です。
enforcer は 動詞enforce「執行する」 「実行する」 あるいは 「強制する」「強要する」 からできた名詞で「執行する人」 「強制する人」 の意になります。
ですから、manners enforces は 「マナーを執行 (強制する) 人」 です。
ただし、もともとの横浜市営地下鉄が使っているのは 「マナー向上員」 ですから、ここではこちらを対訳として採用しました。
ask 人 to 〜 は 「人に〜するよう頼む・求める」 という言い方です。
そして、give up one’s seat が 「席をあきらめる」 → 「席を譲る」 なので、ask passengers to give up their seats で 「乗客に席を譲るように呼びかける」 となります。
disadvantage は advantage 「利益を得る」 「有利な立場に置く」 の反対語で 「不利な立場に置く」 という動詞。
この動詞の過去分詞からできた形容詞の disadvantaged は物理的・経済的・身体的に 「不利な立場に置かれた (人々) 」 という意味になります。
つまり、日本語でいう 「恵まれない人々」 のニュアンスに近く、経済的・社会的に “恵まれない人” や身体的に “不自由な人” を指す婉曲的表現として使われています。
横浜市交通局では、平成15年から市営地下鉄ブルーラインで「全席優先席」 を採用しています。
しかし、その効果はあまり出ていないということで、この3月末に開業の新線グリーンラインでは 「スマイルマナー向上員」 が車内を回って、乗客へ席を譲るように呼びかけるということです。
ただ、 「強要された時点で譲り合いの心は失われる」 という意見もあり、賛否両論のようです。
■編集後記
僕は東京の都心で生活していますが、普段、電車に乗らない生活をしています。
地下鉄や山手線など、前回乗ったのがいつか覚えてません(笑)
たぶん2年以上前だと思います。おそらく今乗れと言われたら切符の買い方などでちょっと苦戦する可能性があります。
公共スペースでのマナーは守りたいものです。
(裏)ジョンケージのprepared pianoを久しぶりに聴いた。高橋悠治。COOL!