North Korea Hackers Stole Crypto-assets Worth $721 Million From Japan
North Korea-linked hacker groups have stolen cryptocurrency worth $721 million from Japan between 2017 and 2022, a collaborative analysis by Nikkei and UK-based Elliptic revealed.
■チェック
・hackers (=hacker group) ハッカー集団
・steal 盗む
・Crypto-asset(s) 暗号資産
・worth $_ _ドル相当の
・North Korea-linked 北朝鮮系の
・cryptocurrency 暗号通貨 → 仮想通貨
・collaborative analysis 共同分析
・Nikkei 日本経済新聞(社)
・UK-based 英国を拠点とする
・reveal 明らかにする
■対訳
「北朝鮮ハッカー集団、日本から7億2100万ドル相当の暗号資産を窃取」
北朝鮮系のハッカー集団は2017年から2022年の間に、7億2100万ドル(約980億円)相当の仮想通貨を日本から窃取したという。日本経済新聞と英国拠点のエリプティック社による共同分析で明らかになった。
■訳出のポイント
タイトルに登場している
crypto-asset は
「暗号資産」。
インターネット上で決済や送金手段として利用できる財産的価値を意味します。
一般的には、
virtual currency 「仮想通貨」
digital currency 「デジタル通貨」
cryptocurrency 「暗号通貨」
とほぼ同義で使われる表現ですね。
今日の記事でも、
本文では
cryptocurrency
で言い換えられています。
この cryptocurrency についても
厳密に言えば、日本語訳は
「暗号通貨」。
しかし、日本では
「仮想通貨」
と呼ぶのが通例なので、
今日の対訳でもこちらを採用しています。
逆に、英語圏では
virtual currency
という言い方は、(もちろん、意味は通じるものの)
現在ではほぼ使われず
cryptocurrency
が一般的なので、この点も注意しておきたいですね。
collaborative は
「協力的な」 「合作の」 「共同の」
という形容詞。
collaborative analysis で
「共同分析」
ということです。
本文後半の [,] 以下は
「日本経済新聞と英国拠点のエリプティック社による共同分析が(本文前半の内容を)明らかにした」→
「(本文前半の内容が)日本経済新聞と英国拠点のエリプティック社による共同分析で明らかになった」
となっています。
対訳では、わかりやすいように後半部分を独立させて第2文として訳しています。
北朝鮮が外貨獲得のために、他国の仮想通貨を狙ってサイバー攻撃を続けていることは周知の事実ですね。
暗号資産取引分析やリスク対策を提供する英エリプティック社によると、北朝鮮による暗号資産窃取の世界全体の被害総額は2017年から2022年の間で23億ドル。
今回の分析では、初めて国別の被害額が明らかにされました。
それによると、日本が最多で、総額の約3割に当たる7億2100万ドル(約980億円)。
次いで、ベトナムの5.4億ドル、米国の4.97億ドルということです。
仮想通貨市場が急拡大し、セキュリティが甘い業者が多かった日本やベトナムが標的になった形だと思われます。
北朝鮮は獲得した外貨をミサイル開発や軍備拡充の原資にしているとの指摘もあり、暗号資産窃取は、アジア、強いては世界全体の安全保障上の脅威につながる問題でもあります。
国を超えた対策が急務ですね。
■編集後記
日本は5年間で約980億円の資金を北朝鮮に提供していたことになってしまいます。そして、その資金を使って開発・製造したミサイルを日本に向けて撃たれていると思うと・・・暗号通貨というデジタルで取引される通貨、その流動性の限りない高さを悪用した犯罪ですね。ドルでも円でも巨額を海外に持ち出すのは物理的にかなり難しさがありますが、暗号通貨なら簡単にそれをやってのけられるということですね。
(裏)朝から暑さマックスです。一足早い夏を楽しみましょう。どうせこのあと梅雨に入るわけですから。