Nobel Prize goes to gene experts
An American and two Britons won this year’s Nobel Prize in medicine Monday for discoveries about how genes regulate organ growth and a process of programmed cell suicide.
Their findings shed light on the development of many illnesses, including AIDS and strokes.
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■チェック
!
・Briton 英国人
・programmed cell suicide 細胞のプログラム死
・shed light on 〜に光明を投じる、〜に解決の光を与える
・stroke 脳卒中
■対訳
「ノーベル賞、遺伝子の専門家らに」
一人の米国人と2人の英国人が、遺伝子がどのように器官の発生および細胞のプログラム死のプロセスを制御するかについて解明した功績で、今年の医学分野のノーベル賞を受賞した。
彼らの発見は、エイズや脳卒中を含む多くの病気の進行の解明に光を与えるものである。
■ひとこと
programmed cell suicide 「細胞のプログラム死」とはなんでしょうか?
「アポトーシス」といえば聞いたことがある人もいると思います。
オタマジャクシが蛙になるときには尻尾がなくなります。
成長の過程で尻尾がなくなることがオタマジャクシの遺伝子にあらかじめプログラムされているのです。
つまり細胞の中には役目が終わったら死ぬようにあらかじめ遺伝子の設計図に書かれているケースがあります。
この細胞が自ら死んでいくことを「アポトーシス」、あるいは「プログラム細胞死」と呼びます。
抗癌剤にさらされた癌細胞が死ぬのもアポトーシス。
HIVに感染した患者の免疫細胞が次々と死んでいくのもアポトーシス。
一方、例えば火傷で細胞が死ぬのは細胞壊死(さいぼうえし、necrosis ネクローシス)といいます。
ただアポトーシスが悪いのかというとそうではなく、オタマジャクシの例にあるように生物の正常な成長過程においては重要な役割を果たしています。
オタマジャクシの発生段階でアポトーシスが正常に起きなければ、尻尾をもつ奇形カエルとなってしまう。
つまり、アポトーシス起きすぎたり、逆に少なすぎたすることが、さまざまな病気の原因になると考えられています。
今回のノーベル賞受賞の理由は、彼ら研究者がこのアポトーシスを引き起こす遺伝子群を体長約1ミリの線虫に発見し、それがヒトの中にも存在することを示したからです。